大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和36(あ)2578 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人田島勇の上告趣意について。

所論は、単なる法令違反、事実誤認の主張であつて、適法な上告理由に当らない。

のみならず、論旨は、第一審判決判示第一の事実につき、立候補届出前において

は候補者たらんとする者が立候補の決意をしている場合でなければ饗応接待罪成立

の余地がなく、従つて、同罪を構成する事実を判示するには右決意の存したことを

も示すべきであると主張するものであるところ、特定の選挙につき特定の人の立候

補することが予期できる事情が存する場合に、その人の立候補を予期してその人の

ため公職選挙法二二一条所定の行為をなせば同条の犯罪が成立するものと解すべき

ことは、当裁判所の判例(昭和二九年(あ)第三七〇一号、同三〇年七月二二日第

二小法廷判決、集九巻九号一九四八頁)とするところであり(なお、本件当時本件

候補者Aが立候補することの既に予期せられていた事実は、第一審判決挙示の関係

証拠により優に認定しうるところである。)、右行為当時候補者たらんとする者に

立候補の確定的決意の存することは右犯罪成立の要件ではないというべきであるか

ら、所論の如く饗応接待罪の判示に必要不可欠の事項でないことも論をまたない。

第一審判決を是認した原判決の所論判断もこれと同趣旨に出でたものと認められ、

何ら違法のかどは存しないものというべきである。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三七年四月二日

最高裁判所第二小法廷

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裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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